【要点】
・2025/12/14にフランス宇宙軍(French Space Command)は、米国の宇宙戦作戦計画の枠組みであるOperation Olympic Defenderの下で、米仏の軍事衛星が共同機動を実施したと発表した。
・報道によると今回の活動はRPO(ランデブー・近接運用=衛星同士が接近しながら機動する運用)で、同盟国と共同で「責任ある運用」を示し、宇宙での妨害を抑止する狙いがあると説明された。
・米宇宙軍(USSPACECOM)は協力を認め、同盟国が宇宙で動的な運用を計画・実行し、共通の利益を防衛する姿勢を示すものだと述べた。
・衛星名は公式には公表されていないが、追跡企業COMSPOCは、米国のGSSAP衛星USA 324(静止軌道付近の監視を担う衛星)とフランスのSyracuse 3A(軍用衛星通信)による機動を観測したと説明した。
・COMSPOCによると機動は2025/11/11-14、11/22-23、11/28-29の3回観測され、最接近は約25.1kmで、Syracuse 3Aが先導しUSA 324が追随する挙動が見られたという。
・フランス側は、米国とのRPOは2回目だが、Operation Olympic Defenderの下で共同計画したのは初めてだと説明し、フランスの同枠組み参加は2024/10に正式化されたと報じられた。
・USSPACECOMの公式情報によるとOperation Olympic Defenderは多国間の宇宙作戦枠組みで、参加国には米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、豪州、ニュージーランドが含まれ、2025/4にIOC(初期作戦能力=限定的に運用可能な状態)を宣言した。
【編集部コメント】
静止軌道(地上約3.6万kmで地上と同じ周期で回る軌道)付近の近接機動は監視・点検などの正当任務にも用いられる一方、相手衛星への圧力手段にもなり得る。USSPACECOM主導の多国間枠組みで共通戦術を訓練し、宇宙状況把握と衛星機動の協調運用を実戦的に整える動きとして位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
Multinational Force Operation Olympic Defender
Succès de la deuxième manœuvre orbitale conjointe menée par la France et les Etats-Unis… | Commandement de l’Espace(LinkedIn投稿)
【参照情報(報道)】
Breaking Defense
Air & Space Forces Magazine