【要点】
・2025/12/15の報道によると、米宇宙軍はSPACEPOWER 2025で、機密の宇宙監視衛星群SILENTBARKERの後継を宇宙軍主導で開発・調達する方針を示した。
・同報道によると、現行はNRO(米国家偵察局=偵察衛星を所管する情報機関)と共同運用しているが、将来の調達は宇宙軍へ全面移管する考えだと説明した。
・同報道によると、宇宙軍は任務を「監視」と「偵察」に分け、監視は広域を走査し、偵察は特定対象を近距離で詳しく観測してキルチェーン(攻撃判断までの一連の手順)に資する、と位置付けた。
・同報道によると、偵察側はGEO(静止軌道)でのGSSAP後継「RG-XX」で、衛星は商用提供者から調達しつつ宇宙軍が保有・運用し、年内にRFP(提案依頼書)草案を出す見込みとされた。
・同報道によると、監視側のSILENTBARKER後継では、宇宙軍が2025/11/26に「広視野」の光学センサー(広い範囲を一度に撮るカメラ)のRFI(情報提供要請)を出し、回答期限を2026/01/09とした。
・同報道によると、RFIは衛星数など編成規模を明かさない一方、視等級14.5の宇宙物体検出を求め、視等級16以上の検出能力を重視した(視等級は明るさ指標で、数が大きいほど暗い)。
・同報道によると、露中が衛星を暗く見せる試験を進めていることが宇宙軍の懸念で、例としてロシアの実験衛星Mozhayets-6(視等級16.5)が約5週間、捕捉が難しかったとの民間企業の説明が紹介された。
・別報道(2025/12/16付)でも、宇宙軍は小型・低コスト化と商用技術の活用を軸に後継機を検討し、NRO主導から宇宙軍主導へ移す構図だと報じられた。
【編集部コメント】
静止軌道の宇宙状況把握は、国家機関の偵察衛星と商用監視が併存する領域として拡大している。監視と偵察を分離し調達主導権を宇宙軍へ移す動きは、商用技術の取り込みと調達の柔軟化を制度面で後押しする一環と位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
Request for Information (RFI) Space Domain Awareness (SDA) Geosynchronous Wide Field of View (WFOV) Electro-Optical (EO) Sensor
SILENTBARKER/NROL-107 Press Release
【参照情報(報道)】
Breaking Defense
Air & Space Forces Magazine