【要点】
・欧州宇宙機関(ESA)は、月面探査ミッションを支援するための通信・測位インフラプロジェクト「ムーンライト(Moonlight)」の進捗状況を公表しました。
・本計画は、月周回軌道に5機の衛星(測位用4機、通信用1機)からなるコンステレーション(複数の衛星を連携させて運用するシステム)を配置するものです。
・今後10年間で計画されている400件以上の月探査ミッションに対し、汎用的な通信およびPNT(測位・航法・時刻同期:位置や時間を特定する技術)を提供します。
・英国のSSTL社が開発を主導する試験衛星「ルナ・パスファインダー」により、初期段階の技術実証を月軌道上で行う予定です。
・地球のGNSS(衛星測位システム:複数の衛星から現在位置を計算する仕組み)信号を、約40万キロメートル離れた月付近で受信・活用できるかを検証します。
・米航空宇宙局(NASA)や日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力し、システム間の相互運用を可能にする共通規格「LunaNet」の策定を進めています。
・このインフラが整備されることで、月面での高精度な着陸や、月の裏側を含む広範囲でのリアルタイム通信の実現が期待されています。
【編集部コメント】
本計画は、月面探査の持続可能性と経済性を高めるための国際的なインフラ構築の一環として位置付けられます。ESAが主導する通信・測位網の整備は、将来の月面基地運用における欧州のプレゼンスを強化する狙いがあります。NASAやJAXAとの規格統合を進める動きは、月面活動の標準化を支える構造的整理といえます。
【出典情報】
公式リリース
N° 60–2024: ESA launches Moonlight to establish lunar communications and navigation infrastructure
ESA Navigation at 2025 Ministerial Council

参照情報(報道)
Inside GNSS