【要点】
・2025年12月22日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は種子島宇宙センターからH3ロケット8号機の打ち上げを実施しました。
・打ち上げ後の飛行過程において、第2段エンジンの2回目の着火が正常に行われず、予定より早期にエンジンが停止しました。
・この不具合により、搭載されていた準天頂衛星「みちびき5号機」を目的の軌道へ投入することができず、ミッションは失敗に終わりました。
・「みちびき」は、日本独自の測位情報を補完するQZSS(日本の準天頂衛星システム)を構築するための重要な役割を担う衛星です。
・JAXAは直ちに対策本部を設置し、第2段エンジンが再着火しなかった原因の特定に向けた詳細な調査を開始しました。
・調査の過程において、フェアリング(ロケット先端部の衛星保護カバー)の分離時に通常とは異なる振動や加速度が記録されていたことが判明しています。
・報道によると、今回の事案によりH3ロケットの通算打ち上げ成功率は75%(8機中6機成功)に低下したと指摘されています。
・軌道投入に失敗した衛星は、その後機体と共に大気圏に再突入して消滅した可能性が高いと報じられています。
【編集部コメント】
H3ロケット8号機の打ち上げ失敗は、日本の自律的な宇宙輸送基盤の確立に向けた大きな課題を浮き彫りにしました。特に国家の基幹インフラであるQZSSの更新遅延は、安全保障や高度測位サービスの運用計画に構造的な影響を及ぼす一環として位置付けられます。早期の原因究明と対策の徹底が、国際市場での信頼回復に向けた鍵となります。
【出典情報】
公式リリース
H3ロケット8号機の打上げについて(第一報)
参照情報(報道)
The Register
AP News