【要点】
・NASAはCubeSat「DUPLEX(小型衛星の規格)」で2種類のマイクロ推進(小推力の推進)技術の宇宙実証を開始した。
・DUPLEXは2025年12月2日に国際宇宙ステーション(ISS)から低軌道LEO(高度2,000km以下の軌道)へ放出された。
・報道によるとDUPLEXは補給機シグナスでISSへ輸送され、12月上旬に放出された。
・推進機の一つは「繊維供給式パルスプラズマスラスタ(電気放電で推進剤をプラズマ化して噴射する電気推進)」で、テフロン(樹脂)を電気パルスで気化させイオンで推力を得る。
・もう一つは「単線蒸発式推進」で、3Dプリンタの仕組みを参考にDelrin(樹脂材料)を加熱・蒸発させ、連続的な推力を発生させる。
・NASAは両方式が樹脂繊維スプールを推進剤として用い、既存方式に近い性能を狙いながら、組立時の安全性とコスト面の改善につながると説明した。
・DUPLEXは今後2年間、軌道を上げ下げして推進系を評価し、長期の軌道維持能力を実証する計画だ。
・NASAはマイクロ推進がデブリ回避や衛星同士の協調運用などに有用で、月・火星など地球から遠い運用領域でも低コスト化に寄与し得ると位置付けた。
【編集部コメント】
低軌道で衛星数が増える中、姿勢・軌道制御の小推力推進は運用の基盤技術として重要である。加圧タンクを使わない樹脂スプール方式は、組立安全性とコストの両面を狙う実証として位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
NASA’s Two-in-One Satellite Propulsion Demo Begins In-Space Test

参照情報(報道)
autoevolution