【要点】 ・米L3ハリス・テクノロジーズ(L3Harris Technologies)は、NASAの月周回有人拠点「ゲートウェイ(Gateway)」向け推進システムを納入した ・納入されたのは、傘下のエアロジェット・ロケットダイン(Aerojet Rocketdyne)が開発した「AEPS(Advanced Electric Propulsion System)」である ・AEPSは、ゲートウェイの動力・推進を担うPPE(Power and Propulsion Element)モジュールに搭載される電気推進エンジンである ・出力は12キロワット級に達し、これまでに製造された宇宙用ホール効果スラスター(Hall-effect thruster)としては最も強力とされる ・推進剤にはキセノンガスを使用しており、従来の化学ロケットと比較して極めて高い燃料効率を実現している ・PPEの統合を担当するマクサー・スペース・システムズ(Maxar Space Systems)へ引き渡され、最終的な組み立てが行われる ・この推進システムにより、ゲートウェイは15年以上にわたり月周回軌道での運用維持が可能となる ・高出力電気推進技術の確立は、将来の有人火星探査に向けた深宇宙輸送の基盤技術としても位置付けられている

【編集部コメント】 本技術の確立は、アルテミス計画の中核をなす月周回拠点「ゲートウェイ」の長期運用を支える重要な一環として位置付けられる。 高出力電気推進は、重量のある貨物を効率的に輸送できるため、月面活動の持続可能性を向上させるだけでなく、将来の火星探査に向けた深宇宙航行技術の構造的整理に寄与するものである。 化学推進に頼らない軌道制御は、補給コストを劇的に下げる鍵となる。

【出典情報】 公式リリース L3Harris Delivers Most Powerful Thrusters for NASA’s Lunar Gateway:https://www.l3harris.com/newsroom/press-release/2025/12/l3harris-delivers-most-powerful-thrusters-nasas-lunar-gateway Solar Electric Propulsion (NASA):https://www.nasa.gov/space-technology-mission-directorate/tdm/solar-electric-propulsion/

参照情報(報道) Interesting Engineering:https://interestingengineering.com/space/us-firm-thrusters-nasa-lunar-gateway