【要点】
・レオナルドDRS社は、高度な暗号機能を備えた多チャンネルSDR(ソフトウェア規定無線:プログラムで通信方式を柔軟に変更できる無線技術)の初の軌道上試験に成功したと発表しました。
・試験機「XCM3-Space」は、2025年11月下旬に打ち上げられた衛星「プロテウス・マーキュリー」に搭載され、LEO(高度2,000km以下の低軌道)での動作が確認されました。
・本ミッションの主な目的は、サイバー攻撃や電子戦の脅威に対抗し、米軍の戦術端における衛星データの秘匿通信を確立することにあります。
・同システムは、複数の周波数やネットワークを介した高速かつセキュアな衛星通信を同時に実現する能力を備えています。
・再プログラム可能なアーキテクチャを採用しており、ミッション中にソフトウェアを更新することで、将来の新しい通信規格や脅威の変化にも対応可能です。
・この技術は、極超音速ミサイルの検知や迎撃において不可欠な、衛星上でのデータ暗号化・復号化処理を支える基盤となります。
・同社は内部投資により、12か月未満という短期間で本システムの設計から軌道上実証までを完了させました。
・米国宇宙軍や宇宙開発局(SDA)、ミサイル防衛局(MDA)が進める次世代通信インフラ構築を支援する技術として期待されています。
【編集部コメント】
本成果は、米国が進める安全保障分野での宇宙利用加速、特に統合全領域指揮統制を支える通信基盤の強化に向けた重要な一環です。民間の開発スピードを取り入れ、機能を随時更新できるSDR技術の確立は、電子戦環境下での優位性確保を狙ったものです。衛星上でのデータ処理能力向上は、ミサイル防衛網の構造的整理に寄いるマイルストーンといえます。
【出典情報】
公式リリース
Leonardo DRS Achieves Major Milestone with First Space-Based Test of Next-Generation Secure Data Transport Capability
参照情報(報道)
Orbital Today
Military Periscope