【要点】
・米国ワシントン州に拠点を置くスタークラウド社は、衛星軌道上においてAIモデルの学習と実行に成功したと発表しました。
・2025年11月に打ち上げられた小型実証衛星「Starcloud-1」を使用し、宇宙空間での自律的なデータ処理能力を実証しています。
・本ミッションでは、高性能なNVIDIA製H100 GPU(画像処理装置:大量の計算を並列で高速処理する半導体)が初めて衛星に搭載されました。
・同社はシェイクスピアの著作を学習させたNanoGPT(軽量な文章生成AIモデル)を構築し、軌道上での学習が可能であることを証明しました。
・同時にGoogleのLLM(大規模言語モデル:人間のように対話できるAI)である「Gemma」の稼働も確認されています。
・LEO(高度2,000km以下の低軌道)に計算拠点を設けることで、地上のデータセンターが抱える電力不足や冷却水の確保といった環境課題の解決を目指します。
・衛星内でデータを直接処理するエッジコンピューティング(データの発生場所で計算を行う技術)により、地上への通信負荷を大幅に軽減できます。
・同社は2026年10月に、最新のBlackwell B200チップを搭載した次世代衛星「Starcloud-2」の打ち上げを計画しています。
【編集部コメント】
本実証は、地上のエネルギー制約と爆発的なAI需要を背景とした、新たなデジタルインフラ戦略の一環として位置付けられます。高性能GPUの放射線耐性を証明し、膨大な観測データを軌道上で即座に処理する「現地処理」の有効性を示した点は極めて重要です。これは、将来的な自律型衛星運用や、宇宙空間を基盤とする巨大クラウド経済圏の確立を支える構造的整理といえます。
【出典情報】
公式リリース
How Starcloud Is Bringing Data Centers to Outer Space | NVIDIA Blog
Crusoe to become first cloud operator in space through strategic partnership with Starcloud

参照情報(報道)
GeekWire