【要点】
・北京に拠点を置く民間ロケット企業のランドスペース(藍箭航天)社が、上海証券取引所のハイテク企業向け市場である科創板への上場手続きを開始しました。
・同社は2025年12月23日に、中国証券監督管理委員会による上場前の義務的な「指導プロセス」を完了したことが当局の公開情報で確認されています。
・今回の動きは、中国当局が民間宇宙企業の資本調達を支援するために、証券市場の参入障壁を緩和する方針を示したことを背景としています。
・上海証券取引所は2025年12月26日、収益が赤字の企業であっても技術的な成果を上げた場合に上場を認める「第5セット」基準の適用指針を公開しました。
・新規株式公開(IPO:未上場企業が株式を公募して上場すること)が認められる要件として、少なくとも1回の軌道投入(衛星などを目的の軌道に乗せること)の成功が明文化されました。
・ランドスペース社は2025年12月初旬に「朱雀3号」の試験飛行を行い、軌道到達の目標を達成したことで、緩和された新基準を満たす一社となっています。
・この規制緩和は、米国のスペースX社による市場独占に対抗し、中国独自のLEO(高度2,000km以下の低軌道)衛星網の構築を急ぐ政府の意向を反映しています。
・ランドスペース社のほか、ディープブルー・エアロスペース社など複数の新興企業も同様の枠組みでの上場を検討しており、2026年内の実現を目指しています。
【編集部コメント】
中国証券当局による基準緩和は、宇宙開発を国家戦略と資本市場が一体で推進する姿勢を象徴しています。財務より技術実績を優先する評価転換は、莫大な開発費を要するロケット分野での民間参入を促す構造向整理といえます。これは将来の巨大衛星網構築に必要な打ち上げ能力を早期に確保するための政策的支援の一環として位置付けられます。
【出典情報】
公式リリース
上海证券交易所发行上市审核规则适用指引第9号——商业火箭企业适用科创板第五套上市标准
参照情報(報道)
MSN