【要点】
・ISROはLVM3-M6ミッションにおいて、S200固体ブースターの制御に電気機械式アクチュエータ(EMA)を初めて導入した
・EMAは推力偏向制御(TVC)用にノズルを駆動する装置で、従来の電気油圧式システムに代わる方式である
・新システムは油圧オイルを使用しないため、液漏れリスクの低減や整備工程の簡素化が可能とされている
・EMAの採用により、ステージあたりのシステム重量が軽減され、ペイロード能力が約85kg向上したと説明されている
・ハイデラバードに拠点を置くMTAR Technologies社がEMAシステムの製造と供給を担った
・同市のAnanth Technologies社もアビオニクスや航法装置など50点以上の主要コンポーネントを納入した
・今回の技術導入は、将来の有人宇宙飛行計画での運用を見据えた信頼性向上策の一つと位置付けられている
・VSSC(ヴィクラム・サラバイ宇宙センター)は、本技術が国内で試験・実証されたものであると説明している
【編集部コメント】
本件は、LVM3ロケットにおける制御系の設計を電気油圧式から電気機械式へ移行した事例として整理できる。
電動化による部品点数の削減や整備性向上は、運用面での効率化に寄与するとされている。
また、国内企業が中核部品の開発・製造を担った点は、インドの宇宙産業サプライチェーンの役割分担を示す動きと位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
LVM3-M6 / BlueBird Block-2 Mission Brochure(PDF):
https://www.isro.gov.in/media_isro/pdf/LVM3M6/LVM3M6_Brochure_201225.pdf
参照情報(報道)
Orbital Today:
https://orbitaltoday.com/2025/12/25/isro-debuts-electromechanical-actuators-in-lvm3-rockets-s200-stage/