【要点】
・キューステック・イノベーションズ(QuesTek Innovations)のジェイソン・セバスチャン(Jason Sebastian)が、オランダのマーストリヒト(Maastricht)で開催されたステンレス・スチール・ワールド会議・展示会(Stainless Steel World Conference & Expo)で講演した。
・講演は2025年11月19日の「サステナビリティ・デー(Sustainability Day)」に行われ、再使用ロケット向け材料の課題と機会を整理した。
・セバスチャンは、宇宙用途の材料要件として引張強さ(tensile strength)、疲労強さ(fatigue strength)、耐焼損性(burn resistance:高温酸化・燃焼環境で損耗しにくい性質)の3点を挙げ、相互にトレードオフがあると説明した。
・ニッケル超合金(nickel superalloys)では、強度向上に寄与するアルミニウムやチタンなどの添加が、耐焼損性を悪化させ得るという材料設計上の制約を示した。
・閉サイクルエンジン(closed-cycle engine:燃焼ガスをタービン駆動後も系内で利用する方式)の開発では、「造形可能(printable)」で耐焼損性の高い合金が重要になると述べた。
・付加製造(Additive Manufacturing:積層造形)はエンジン形状が複雑化するほど有効であり、その前提として造形に適した材料設計が必要だと位置付けた。
・同社のICMD(ICMD®:Materials Design & Engineering Platform、2023年開始)は計算モデルに基づく材料設計基盤で、NASA(National Aeronautics and Space Administration)を含む顧客案件での知見を背景に構築されたと説明した。
・ICMDで設計した造形材料の事例として、ロケットの部品点数を大幅に削減し、他工法では製造困難な複雑部品を造形して、1年以内に試験ロケットで飛行実証まで進めたとした。
【編集部コメント】
再使用ロケットの実装では、燃焼・熱・酸化環境に耐える材料と量産適性の同時達成が開発工程の要所となる。計算主導の材料設計と積層造形を組み合わせ、性能と認証期間の両面を短縮する取り組みの一環として位置付けられる。
【出典情報】
参照情報(報道)
3DPrint.com
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