【要点】

・米宇宙開発庁(SDA:Space Development Agency)は2025/12/19、トランシェ3(Tranche 3)のトラッキング・レイヤー(Tracking Layer)衛星72機の調達で、総額約35億ドルの協定を発表した。
・トラッキング・レイヤーは、低軌道(LEO:Low Earth Orbit)でミサイル警戒・追跡を行う赤外線(IR:Infrared)センサー衛星群として位置付けられている。
・SDAは、ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)、ロケット・ラボ(Rocket Lab USA)、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)、L3ハリス・テクノロジーズ(L3Harris Technologies)の各社に、各18機ずつの「宇宙機(SV:Space Vehicle)」を割り当てた。
・このうちL3ハリスは、ミサイル警戒・追跡(MW/MT:Missile Warning/Missile Tracking)向けSV18機を、総額最大8.43億ドルの枠組みで担当するとされた。
・トランシェ3は、8つの軌道面で構成され、会計年度2029年の打上げが示されている。
・各SVは、IRミッション搭載機器に加え、光通信端末(OCT:Optical Communication Terminal)とKa帯(Ka-band)通信、S帯(S-band)バックアップのTT&C(Telemetry, Tracking & Command)を備えるとされた。
・SDAは、トラッキング・レイヤーを輸送レイヤー(Transport Layer)の低遅延メッシュ通信と統合し、戦術データリンク経由で任務データを直接提供する構造を説明している。
・L3ハリスは2025/08/21、フロリダ州パームベイ(Palm Bay)の衛星統合・試験施設を、1億ドル投資で拡張し延床9.4万平方フィートの設備として稼働させたと発表した。

【編集部コメント】

SDAのPWSA(ProliferatedWarfighterSpaceArchitecture)は、LEOに多数機を分散配備し、世代更新を繰り返して能力を強化する調達思想に基づく。トラッキング・レイヤーの増勢と輸送レイヤー統合は、警戒から迎撃支援までの処理連携を宇宙側で厚くする動きとして位置付けられる。

【出典情報】

公式リリース
Space Development Agency Makes Awards to Build 72 Tracking Layer Satellites for Tranche 3
L3Harris Expands Florida Facility to Support America’s Golden Dome

参照情報(報道)
Florida Today