【要点】

・中国科学院の研究チームが、GNSS(全球測位衛星システム)の精度向上に関する手法を発表した
・従来の単一層モデルは電離層の高さを一様に仮定するため、測位誤差の要因になり得ると説明されている
・新手法は電子密度プロファイルを踏まえ、電離層を多層として扱うモデル化を行う
・2019年と2023年のデータで評価し、太陽活動が異なる状況でも改善が示されたとしている
・微分コードバイアス(DCB:受信機・衛星由来のコード観測の系統誤差)の推定精度が向上したとされる
・全球電離層マップ(GIM)で用いる全電子数(TEC:電離層内の電子の総量)のバイアス低減につながる可能性が示された
・赤道付近など電離層変動が大きい低緯度域で改善が大きいと説明されている
・追加の観測データを増やさず、既存データ処理のモデル更新で適用できる点が特徴として挙げられている

【編集部コメント】

電離層補正はGNSS測位の主要な誤差要因の一つであり、モデル化の前提を見直す研究は測位品質の底上げに直結する。低緯度域は電離層変動の影響が大きいため、改善が確認される場合は全球サービスのばらつき低減に資する可能性がある。

【出典情報】

公式リリース
A multi-layer view of the ionosphere sharpens GNSS accuracy:https://www.eurekalert.org/news-releases/1111096

参照情報(報道)
Newswise:https://www.newswise.com/articles/a-multi-layer-view-of-the-ionosphere-sharpens-gnss-accuracy/