【要点】
・東北大学(Tohoku University)の研究チームが、回転するスペースデブリ(space debris)へ安全に接近するための軌道計画手法を提案したと報じられた
・不規則に回転する物体への近接運用を想定し、接近経路を非線形最適化(数理計算で最適解を探索する手法)で求める構想とされる
・安全確保のため、対象の状態に応じて大きさが変わる「動的進入禁止球(Dynamic Keep-Out Sphere)」の概念を導入したとされる
・固定の進入禁止領域ではなく、回転状態に合わせて安全境界を調整することで、より近距離での接近を可能にする狙いがある
・宇宙機の推進系の制約を踏まえ、連続推力ではなくオン・オフ制御(ON/OFF)スラスタで軌道を追従させる設計が含まれる
・報道では、2次元条件のシミュレーションで、回転速度が最大2.0 rad/sのケースでも位置合わせを達成したとされる
・本手法は、能動的デブリ除去(Active Debris Removal, ADR)における接近フェーズの自律化に関わる要素技術として位置付けられている
・今後は3次元への拡張や、地上設備を用いた検証へ進める計画があると報じられている
【編集部コメント】
回転物体への接近は、捕獲そのもの以前に衝突回避と姿勢・相対運動の安全管理が課題となる。安全境界を可変化する考え方は、運用上の制約を織り込みながら接近可能範囲を広げる方向性として整理できる。今後は3次元条件での性能や、推進系・センサーを含む実機相当の検証情報がどこまで提示されるかが焦点となる。
【出典情報】
公式リリース
Optimal Trajectory Planning for Orbital Robot Rendezvous and Docking:https://arxiv.org/abs/2512.21882
参照情報(報道)
Quantum Zeitgeist:https://quantumzeitgeist.com/techniques-advances-space-debris-removal-safe-close-range-orbital/