【要点】
・エル3ハリス(L3Harris Technologies)と米航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)は、先進電気推進システム(AEPS:Advanced Electric Propulsion System)スラスター3基の試験完了と納入を発表した。
・納入品は12キロワット級のホールスラスター(Hall thruster:電磁場で推進剤を加速する電気推進)で、ゲートウェイ(Gateway)の動力・推進エレメント(PPE:Power and Propulsion Element)に搭載される。
・発表では、運用時に宇宙飛行で最大級の出力となる電気推進システムになる見込みだとしている。
・試験は、ワシントン州レドモンド(Redmond)の施設での振動試験(vibration testing)と、オハイオ州のNASAグレン研究センター(NASA Glenn Research Center)での受入れホットファイア試験(acceptance hot-fire testing)を含むとしている。
・開発は、エル3ハリス傘下のエアロジェット・ロケットダイン(Aerojet Rocketdyne)が主導し、NASAグレン研究センター(NASA Glenn Research Center)とジェット推進研究所(JPL:Jet Propulsion Laboratory)と連携して進めたと説明されている。
・PPE(Power and Propulsion Element)は、ゲートウェイ(Gateway)の電力供給と軌道上での移動・維持に関わる要素で、AEPSはその推進能力の中核として位置付けられている。
・同システムは化学推進に比べて推進剤効率が高い電気推進として、月周回での運用を支える用途で用いられる。
・この高出力電気推進の成熟は、将来の深宇宙ミッションでの高効率な輸送・運用にもつながる可能性があるとしている。
【編集部コメント】
PPE(Power and Propulsion Element)向けに12kW級ホールスラスターを複数基まとめて納入した点は、ゲートウェイ(Gateway)の組立準備が「要素技術」から「統合・受入れ」段階へ移る流れとして整理できる。今後は、PPE側の統合試験と運用手順の確立が、月周回での継続運用の信頼性を左右する。
【出典情報】
公式リリース
L3Harris Delivers Most Powerful Thrusters for NASA’s Lunar Gateway:https://www.l3harris.com/newsroom/press-release/2025/12/l3harris-delivers-most-powerful-thrusters-nasas-lunar-gateway
参照情報(報道)
Space Connect:https://www.spaceconnectonline.com.au/nasa/6903-l3harris-delivers-record-breaking-electric-thrusters-for-nasa-s-lunar-gateway