【要点】
・2026年1月9日、米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)のジャレッド・アイザックマン(Jared Isaacman)長官が耐熱シールドの最終レビュー結果を公表した。
・長官は、有人月周回ミッション「アルテミス2(Artemis II)」に向け、宇宙船の安全性に全幅の信頼を置いていると表明した。
・このレビューは、2022年の無人飛行「アルテミス1(Artemis I)」で発生した耐熱材(アブコート:Avcoat)の予期せぬ剥離現象を受けて実施された。
・専門家や外部有識者との半日にわたる検証の結果、ハードウェアの根本的な設計変更は行わないことが正式に決定した。
・安全対策として、大気圏再突入の経路を調整する「スキップ・エントリー(skip entry)」の運用プロファイル修正を採用する。
・運用変更により再突入時の熱負荷を分散させることで、機体の健全性と乗組員の安全を十分に確保できると結論付けた。
・アイザックマン長官は、透明性とデータに基づいた判断を強調し、打ち上げに向けた技術的な懸念が解消されたことを示した。
・アルテミス2の打ち上げは、機体の射点への移動を経て、早ければ2026年2月上旬にも実施される見通しである。
【編集部コメント】
アルテミス計画(ArtemisProgram)は初期便を「試験キャンペーン」と位置付け、飛行データで設計理解を更新しながら運用へ反映している。耐熱シールドの根本原因を公表したうえで、ハード交換ではなく再突入条件の最適化で安全余裕を確保する判断は、スケジュールと有人安全の両立を狙う対応として整理できる。
【出典情報】
公式リリース
NASA Identifies Cause of Artemis I Orion Heat Shield Char Loss