【要点】
・欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)は、西オーストラリア州ニューノーシア(New Norcia)に新たな深宇宙通信アンテナ「ニューノーシア3(New Norcia 3)」を整備した
・同施設は直径35メートルの大型アンテナで、ESAの深宇宙追跡ネットワーク「エストラック(Estrack)」における4基目の深宇宙アンテナとなる
・開所式は2025年10月4日に実施され、2026年以降の本格運用入りが予定されている
・ニューノーシア3は、深宇宙探査機からのデータ下り需要の増加に対応する通信能力強化を目的として設計された
・運用開始後は、ジュース(JUICE:JUpiter ICy moons Explorer)、ソーラー・オービター(Solar Orbiter)、ベピコロンボ(BepiColombo)など複数の欧州探査ミッションを支援する
・受信系には極低温冷却技術を用いた高感度システムを採用し、遠距離探査機からの微弱信号の取得能力向上を図る
・送信系には20キロワット級の無線周波数増幅器を備え、探査機への安定したコマンド送信を可能とする
・施設はオーストラリアの科学機関CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)が現地運用を担い、欧州と豪州の協力体制の下で整備が進められた
【編集部コメント】
深宇宙通信インフラは、探査機の運用継続と科学成果の回収を左右する基盤要素である。
ニューノーシア3の追加は、増大する探査需要に対する通信余力の確保と、運用の柔軟性向上を同時に図る施策として位置付けられる。
欧州と豪州の連携による地上局整備は、国際探査体制を支える安定的な運用基盤の強化につながる。
【出典情報】
公式リリース
[ESA inaugurates deep space antenna in Australia]:
https://www.esa.int/Enabling_Support/Operations/ESA_inaugurates_deep_space_antenna_in_Australia
参照情報(報道)
[Earth.com]:
https://www.earth.com/news/new-norcia-3-deep-space-antenna-western-australia-inaugurated-by-esa/