【要点】
・欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)は、宇宙環境の安全性向上を目的とした新たな指針を公表した
・指針の中核として、2030年までに新たな宇宙ゴミを発生させない「ゼロ・デブリ憲章(Zero Debris Charter)」の履行を掲げている
・憲章は、衛星やロケットの運用から廃棄までを含むライフサイクル全体でのゴミ発生抑制を対象とする
・既存の故障衛星やロケット残骸を対象とした能動的デブリ除去(ADR:Active Debris Removal)ミッションの検討が進められている
・運用終了後の衛星を速やかに大気圏へ再突入させるため、離脱・処分技術の標準化を重要な要素として位置付けている
・ESAは、民間企業や国際的な宇宙機関に対し、憲章への賛同と協調的な取り組みへの参加を呼びかけている
・軌道上の過密化に伴う衝突リスクを低減し、将来のミッションに利用可能な軌道環境を維持することを目的としている
・地上および軌道上の観測・追跡能力を強化し、小型・微細デブリの把握精度向上を図る方針が示されている
【編集部コメント】
ゼロ・デブリ憲章は、宇宙利用を拡大しながらも軌道環境を保全するための共通原則を示す枠組みとして位置付けられる。
公的機関が率先して「新たなゴミを出さない」方針を明確化することで、設計段階からの配慮や運用ルールの統一が促される構造となる。
持続可能性を前提とした宇宙活動への移行は、民間参入の前提条件を整える意味でも重要な転換点といえる。
【出典情報】
公式リリース
[ESA’s Zero Debris Charter: leading the way for space safety]:
https://www.esa.int/esearch?q=ESA%E2%80%99s+Zero+Debris+Charter%3A+leading+the+way+for+space+safety
参照情報(報道)
[MSN News]:
https://www.msn.com/en-in/news/techandscience/no-more-junk-esa-s-new-mission-aims-to-make-space-safer-forever/ar-AA1UdCGH