【要点】

・チュリオン・スペース(Turion Space Corp.)は2026年1月13日、タイチー・リサーチ・グループ(Tychee Research Group)の買収完了を発表した。
・タイチー(Tychee)はロサンゼルス拠点で、軌道力学(Astrodynamics:宇宙機の軌道設計・運用の計算分野)と高度ミッション設計(Mission Engineering:任務の設計・最適化)を専門とするとされた。
・買収により、タイチーの主力ソフトであるタイチー・ミッション・プランニング・ライブラリ(TMPL:Tychee Mission Planning Library)がチュリオンのスターファイア(Starfire)に統合される。
・TMPLは、概念設計やモデリング・シミュレーションから地上ソフト、機上ソフト(Flight Software:衛星搭載コンピュータで動作するソフト)までを支える高性能ライブラリだと説明された。
・統合後は、ミッション計画、マヌーバ最適化(Maneuver Optimization:軌道変更の最適化)、自律運用(Autonomous Operations)を単一のソフト定義プラットフォームにまとめ、デスクトップ解析から軌道上実行(On-orbit Execution)まで同一アルゴリズムで扱う方針を示した。
・チュリオン(Turion)は、制約が大きい安全な環境でのリアルタイム適応が求められるとして、従来の机上中心ツールのボトルネック解消を狙うとした。
・タイチー創業者ロブ・ブレイディ(Rob Brady)がチュリオンの最高製品責任者(CPO:Chief Product Officer)に就き、TMPLの製品戦略と市場展開を主導するとされた。
・取引条件(金額など)は非公表で、TMPLは既存顧客向け支援を継続しつつ、スターファイア(Starfire)内で統合と製品進化を進めるとされた。

【編集部コメント】

衛星運用の高度化に伴い、設計解析と運用判断を同一ロジックでつなぐ「ソフト定義の運用基盤」整備が論点化している。今回の買収は、ミッション設計ソフトを中核プラットフォームへ内製統合し、計画から実行までの短縮を図る取り組みの一環として位置付けられる。

【出典情報】

公式リリース
Turion Space Corp. Acquires Tychee Research Group to Accelerate Autonomous Space Operations and Mission Engineering

参照情報(報道)
SpaceNews