【要点】

・米宇宙軍(U.S. Space Force)は、測位・航法・タイミング(PNT)能力の抗堪性向上を目的とした「レジリエントGPS(R-GPS)」計画のうち、小型衛星層(smallsat layer)を中止する判断を行った。
・R-GPSは、既存のGPSコンステレーションを補完する形で中軌道(MEO)に追加衛星を配備し、妨害や攻撃への耐性を高める構想として検討されてきた。
・中止の理由について宇宙軍は、限られた国防予算の中での優先順位見直しと、資源の再配分を挙げている。
・当該小型衛星層は、商用技術(COTS)を活用し、比較的短期間で能力を展開することを想定していた。
・一方で宇宙軍は、既存GPSコンステレーションの維持および近代化(GPS III/IIIF等)を引き続き最優先事項とする方針を明確にした。
・宇宙軍高官は、小型衛星層の中止はR-GPS全体の目的放棄を意味するものではなく、抗堪性向上という基本方針自体は維持されると説明している。
・報道によれば、本件は民間企業との契約手続きが進行していた段階での判断であり、調達プロセス上は異例の対応と受け止められている。
・今後は、既存システムの改良や別のアーキテクチャを通じたPNT能力強化策が検討対象になるとされる。

【編集部コメント】

R-GPS小型衛星層の中止は、宇宙軍が理想的な抗堪性構想と現実的な予算制約の間で選択を迫られた結果と整理できる。分散化による即応的な能力追加よりも、既存GPS基盤の安定運用と段階的近代化を優先した判断は、宇宙防衛分野におけるリスク管理重視の姿勢を反映している。今後は、R-GPSの理念をどのような代替手段で具体化していくのかが注目点となる。

【出典情報】

公式リリース
公式リリース:確認されていない

参照情報(報道)
Inside GNSS
「Space Force Cancels Resilient GPS Smallsat Layer, Citing Budget Priorities」
https://insidegnss.com/space-force-cancels-resilient-gps-smallsat-layer-citing-budget-priorities/

GPS World
「U.S. Space Force cancels smallsat project from Resilient GPS program」
https://www.gpsworld.com/us-space-force-cancels-smallsat-project-from-resilient-gps-program/