【要点】

・米カリフォルニア州にあるゴールドストーン深宇宙通信施設(Goldstone Deep Space Communications Complex)の70mアンテナ「DSS-14」が現在運用停止となっている。
・NASAジェット推進研究所(JPL)によると、2025年9月にアンテナの過回転(overspin)が発生し、ケーブルや配管が損傷した。
・このトラブルにより消火設備が破損し、施設内部への浸水被害も確認された。
・復旧作業は当初想定より長期化しており、運用再開は2026年5月1日を予定している。
・再開後の2026年8月からは、老朽化した設備の更新を目的とする大規模改修工事が計画されている。
・この改修は2028年10月まで継続する見通しで、その間、DSS-14の利用には断続的な制約が生じるとされる。
・NASAは、有人月周回ミッション「アルテミス2」については、他のDSNアンテナで代替可能としており、直接的な影響はないと説明している。
・一方で、惑星探査機や小惑星観測など、科学ミッションにおける通信リソースの逼迫を懸念する声が報じられている。

【編集部コメント】

深宇宙通信網(DSN)は、惑星探査や科学観測を支える不可欠なインフラであり、主力アンテナの停止は全体運用に波及効果をもたらす。本件は、設備の老朽化と通信需要の増大が重なる中で顕在化した構造的課題を示している。有人探査を優先する運用判断が続く中、科学ミッション向け通信能力をどのように確保するかが今後の焦点となる。

【出典情報】

公式リリース
公式リリース:確認されていない

参照情報(報道)
SpaceNews
「Damaged DSN antenna out of service until May」
https://spacenews.com/damaged-dsn-antenna-out-of-service-until-may/

Mashable
「NASA says Artemis II can fly without its big, broken deep space antenna」
https://mashable.com/article/nasa-artemis-2-deep-space-network-antenna-failure