【要点】

・米宇宙軍(U.S. Space Force, USSF)は、トランプ大統領が提示した2027会計年度の国防予算トップライン1.5兆ドル構想において、宇宙分野が相対的に大きな配分を得る可能性があるとの見通しが、複数の専門メディアで報じられた。
・宇宙軍の調達を担う宇宙システム司令部(Space Systems Command, SSC)は、2027年度に追加的な資金流入が起こり得る前提で、新規プログラム獲得や生産能力拡大を視野に入れた発言を行っている。
・一方で、2027年度の具体的な資金配分は現時点では未確定(predecisional)であり、どの能力分野にどの程度の予算が割り当てられるかは決まっていない。
・報道によれば、宇宙軍は新規構想への投資だけでなく、既存システムの生産加速や供給能力の底上げにも重点を置く姿勢を示している。
・宇宙分野の大型案件として、ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」が位置付けられており、議会は同構想に充てる予算の使途や工程について、国防総省に対し詳細な説明を求めている。
・議会は、前年のリコンシリエーション手続きでゴールデン・ドーム向けに計上された資金についても、十分な情報が示されていないとして、包括的な支出計画の提出を指示した。
・ゴールデン・ドームは、地球低軌道(LEO)から静止軌道(GEO)までを対象とする多層型ミサイル防衛網を構想しているが、全体アーキテクチャや段階的配備計画の詳細は公表されていない。
・宇宙関連能力の整備では、移動目標指示(MTI)などを含む宇宙ベースのセンシング・標定分野で、ポートフォリオ型調達(PAE)への移行が進められていることも報じられている。

【編集部コメント】

国防予算トップラインの大幅拡大構想は、配分が確定していない段階であっても、宇宙領域の政策的優先度を押し上げる効果を持つ。
一方で、議会はゴールデン・ドームを中心とする大型構想に対し、費用対効果や工程、評価指標の明確化を強く求めており、宇宙軍にとっては「予算拡大」と「説明責任」を同時に満たすことが前提条件となる。
今後は、構想段階にとどまる計画がどこまで具体的な取得プログラムに落とし込まれるかが、2027年度予算の実像を左右する焦点となる。

【出典情報】

公式リリース
公式リリース:該当する公式発表は現時点では確認されていない。

参照情報(報道)
U.S. Space Force eyes big share of proposed $1.5 trillion future defense budget
(Aviation Week)
https://aviationweek.com/space/budget-policy-regulation/ussf-eyes-big-share-proposed-15-trillion-future-defense-budget

Congress wants more insight into Golden Dome budget plans
(Air & Space Forces Magazine)
https://www.airandspaceforces.com/congress-more-insight-golden-dome-budget/