【要点】

・中国科学院国家天文台(NAOC)の研究チームが、宇宙望遠鏡「巡天(CSST)」の運用に向けた包括的な性能シミュレーションを完了した。
・同シミュレーションの成果は学術誌に発表され、システム全体の動作検証と観測データの品質評価に成功したことが示された。
・CSSTは2027年の打ち上げを目標に開発が進められており、中国の宇宙ステーション「天宮」と同一軌道を飛行する計画である。
・主鏡口径は2mとハッブル宇宙望遠鏡(2.4m)よりやや小型だが、約300倍の広視野を有し、広域サーベイ観測に特化した設計となっている。
・25億画素のメインカメラを搭載し、近紫外から近赤外の波長域において高解像度の画像データを取得可能である。
・運用面では、必要に応じて「天宮」とドッキングし、推進剤の補給や観測機器のメンテナンスを行える独自のシステムを採用している。
・今回の「模擬観測」データの生成により、打ち上げ前に科学データ処理パイプラインの開発や運用計画の最適化を行う体制が整った。
・一連の進捗は、2026年1月中旬以降に公開された複数の専門報道および学術論文によって明らかにされた。

【編集部コメント】

巡天(CSST)の総合シミュレーション完了は、打上げ前に観測系・データ処理系の整合を確認する工程の一環として位置付けられる。天宮との協調運用とドッキング保守の設計は、広域サーベイ能力の確保と運用寿命の延伸を同時に狙う枠組みであり、各国で進む軌道上保守の潮流とも接続する。

【出典情報】

公式リリース
IOPscience: Mock Observations for the CSST Mission
Mock Observations for the CSST Mission: Main Surveys–An Overview of Framework and Simulation Suite

参照情報(報道)
PrimeTimer: Xuntian Space Telescope moves closer to 2027 launch after full-performance simulation
PrimeTimer
Space.com: China previews how powerful its new Xuntian space telescope will be
Space.com