【要点】
・NASAゴダード宇宙飛行センターは、将来の宇宙重力波望遠鏡「LISA(Laser Interferometer Space Antenna)」の核心部となる「レーザー周波数基準システム」の第2次プロトタイプ試験を完了した。
・LISAはESA(欧州宇宙機関)とNASAの共同ミッションであり、宇宙空間で3機の探査機が三角形の編隊を組み、レーザー干渉計を用いて重力波を検出する計画である。
・今回試験されたシステムはBAEシステムズ(BAE Systems)が製造したもので、探査機間を結ぶレーザーを制御し、ピコメートル(1兆分の1メートル)レベルの測定精度を保証するために不可欠な技術である。
・NASAはレーザーシステムのほか、望遠鏡、帯電防止装置(Charge Management Device)、データ処理フレームワークの提供も担当している。
・LISAの打ち上げは2030年代半ばを予定しており、地上の観測所では捉えきれない巨大ブラックホールの合体などを観測し、宇宙の理解を深めることを目的としている。
【編集部コメント】
LISAは「宇宙に浮かぶ巨大な耳」として、地上のLIGOやVirgoでは捉えきれない低周波の重力波を聴くための壮大なプロジェクトである。
探査機間の距離250万kmで原子以下の精度を保つという技術的ハードルは極めて高いが、今回の試験成功はその実現に向けた着実なマイルストーンといえる。
欧米の主要機関とBAEのような防衛・宇宙大手が連携するサプライチェーンの堅牢さも示している。
【出典情報】
公式リリース
NASA, Partners Advance LISA Prototype Hardware(NASA)
https://science.nasa.gov/missions/lisa/nasa-partners-advance-lisa-prototype-hardware/
参照情報(報道)
NASA, Partners Advance LISA Prototype Hardware(Mirage News)
https://www.miragenews.com/nasa-partners-advance-lisa-prototype-hardware-1608818/