【要点】
・コロラド州デンバーを拠点とする衛星製造大手York Space Systems(YSS)は、2026年1月29日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に新規上場(IPO)を果たした。
・公開価格は仮条件レンジ(30〜34ドル)の上限となる1株34ドルに設定され、1,850万株を売り出して約6億2,900万ドル(約920億円)を調達した。これにより、同社の企業評価額は約47億ドル(約6,900億円)に達した。
・取引初日の株価は38ドルで始まり、公開価格を上回る堅調なスタートを切った。市場では、トランプ政権下で議論されている国防予算の増額や、ミサイル防衛構想「Golden Dome」関連需要への期待が投資意欲を後押ししたと見られている。
・同社は、国防総省の宇宙開発庁(SDA)向け衛星バス製造で主要な地位を築いており、筆頭株主であるAE Industrial Partnersは上場後も議決権の過半数を維持する。
・今回の上場は、防衛・宇宙分野への資金流入が再び活発化していることを示す事例として注目されており、今後予定される他の大型宇宙関連IPOの試金石ともなっている。
【編集部コメント】
デンバーは「航空宇宙の第2のシリコンバレー」とも呼ばれるが、地元有力企業のYork Space Systemsがついに公開企業となった。宇宙開発庁(SDA)の案件を中心に、低コストかつ量産型の衛星バスで成長してきた同社が、IPOで得た資金を製造能力の拡張に投じれば、Lockheed Martinなど既存の防衛大手にとっても無視できない存在となる。防衛費増額観測と市場のリスク許容度回復という追い風を捉えた今回のIPOは、極めて戦略的なタイミングだったと言える。
【出典情報】
参照情報(報道)
York Space Systems jumps after $629M IPO prices above range (Seeking Alpha)
https://seekingalpha.com/news/4544399-york-space-systems-jumps-after-629m-ipo-prices-above-range
York Space Systems Opens At $38, IPO Priced At $34 (Investing.com)
https://www.investing.com/news/stock-market-news/york-space-systems-opens-at-38-ipo-priced-at-34-432SI-4474126
Denver space company goes public (Denver Business Journal)
https://www.bizjournals.com/denver/news/2026/01/29/denver-company-goes-public.html