【要点】

・宇宙コンサルティング大手Novaspace(旧EuroconsultとSpaceTecの統合会社)は、最新の市場調査レポート「Space Economy Report(第12版)」を公表し、2025年の世界の宇宙経済規模が約6,260億ドルに達したと明らかにした。
・同レポートでは、今後10年間にわたり年平均成長率(CAGR)約12%で市場が拡大し、2034年には宇宙経済全体が1兆ドルを超える水準に到達すると予測している。
・成長の大きな原動力となっているのは政府支出で、2025年の各国政府による宇宙関連支出は1,380億ドル規模に拡大した。特に安全保障、防衛、宇宙探査分野での投資増加が、調達モデルの高度化と市場拡大を後押ししている。
・一方、商業分野では、アーリーステージの宇宙スタートアップへの投資は慎重化する傾向が続く一方、実績と顧客基盤を持つレイトステージ企業への資金集中が進んでおり、市場の成熟と選別が鮮明になっている。
・Novaspaceは2025年を、急成長フェーズから構造化された成熟市場への「転換点(Inflection Point)」と位置づけており、PNT(測位・航法・タイミング)や通信、地球観測といった衛星利用サービスが、経済価値の中核を占める構造が定着しつつあると分析している。

【編集部コメント】

かつて「2040年に1兆ドル」とされてきた宇宙経済の到達点が、Novaspaceの最新分析では「2034年」と大きく前倒しされた。もっとも、この成長は無差別的な拡大ではなく、防衛・安全保障インフラや、確実なキャッシュフローを生む衛星サービス事業に価値が集中する「勝者主導型」の市場構造を示している。6,000億ドル超という数字の中身を見ると、ロケットや衛星そのものの製造よりも、それらを活用した通信・測位・データサービスの比重が圧倒的に大きい点が重要であり、宇宙産業がすでに「インフラ経済」へと移行していることを裏付けている。

【出典情報】

公式リリース
Global Space Economy Reaches $626 Billion, Marking a New Phase of Growth (Novaspace)

Global Space Economy Reaches $626 Billion, Marking a New Phase of Growth

参照情報(報道)
Space Market Set for Trillion-Dollar Era by Decade’s End (Defense Arabia)

Global Space Economy Reaches $626 Billion, Marking a New Phase of Growth