【要点】
・インド理科大学院(IISc)でインキュベートされた宇宙スタートアップ「Akashlabdhi(アカシュラブディ)」は、インド初となる膨張式宇宙居住モジュール(Inflatable Space Habitat)の主要な地上試験を完了した。
・同社は欧州宇宙機関(ESA)およびスイスのエンジニアリング企業Amberg Groupの支援を受け、スイス国内の地下実験施設において「AntarikshHAB」と呼ばれるモジュールの構造強度、展開機構、放射線遮蔽性能などを検証した。
・計画では、2026年7月に展開時体積約70立方メートルの縮小版モジュールを、海外の打ち上げ手段を利用して軌道へ投入する。打ち上げ機としては、スペインのPLD Space社のロケットなどが候補に挙がっている。
・膨張式モジュールは、打ち上げ時にはコンパクトに収納し、軌道上で展開することで、従来型の金属製モジュールと比べて低コストで広い居住空間を確保できる点が特徴で、最終的には300立方メートル規模への拡張を目指している。
・今回のミッションには、軌道上での展開実証に加え、ミッション終了後の制御されたデオービット(大気圏再突入)による廃棄技術の検証も含まれており、スペースデブリ対策への配慮も盛り込まれている。
【編集部コメント】
膨張式宇宙居住モジュールは、米Bigelow Aerospaceが先鞭をつけ、現在はSierra Spaceの「LIFE」などが先行する分野だが、インドのスタートアップがこの高度な領域に参入してきた点は注目に値する。特に、自国のISROに全面的に依存するのではなく、ESAやスイスの民間企業、さらにはスペインのロケットベンチャーと連携し、欧州の宇宙エコシステムを活用して開発スピードを高めている点が戦略的だ。「Antariksh(宇宙)」の名を冠したこの膨張式拠点が成功すれば、インドの有人宇宙飛行計画「Gaganyaan」の将来的な拡張や、商業宇宙ステーション分野への布石となる可能性もある。
【出典情報】
参照情報(報道)
First for India: Startup edges closer to launch of its inflatable space habitat (Times of India)
https://timesofindia.indiatimes.com/india/first-for-india-startup-edges-closer-to-launch-of-its-inflatable-space-habitat/articleshow/127669003.cms
Akashlabdhi Advances India’s Inflatable Space Habitat Mission (GKToday)
https://www.gktoday.in/akashlabdhi-advances-indias-inflatable-space-habitat-mission/
Indian start-up’s inflatable orbital habitat nears launch after Swiss trials (Indian Defense News)
https://www.indiandefensenews.in/2026/02/indian-start-ups-inflatable-orbit.html