【要点】

・フィンランドのSAR(合成開口レーダー)衛星大手ICEYEのラファル・モジェフスキ(Rafal Modrzewski)CEOは、当面の間、新規株式公開(IPO)を行う計画がないことを明らかにした。
・同社は直近の資金調達ラウンドで約2億ドルを調達し、企業評価額は約30億ドルに達している。十分な手元資金を確保しており、公開市場からの資金調達を急ぐ必要性が低下している。
・業績も拡大を続けており、2025年の年間売上高は目標としていた2億5,000万ユーロを上回り、約3億ドル規模に達したとされる。
・ICEYEは現在、週産1機を超えるペースで衛星製造能力を拡張しており、ドイツ(Rheinmetallとの合弁)やギリシャなど、顧客国での現地生産体制の構築を進めている。
・モジェフスキCEOは、欧州委員会に対し、IRIS²を含む安全保障・通信インフラ分野や防衛調達において、意思決定と実行のスピードを加速する必要があると強く訴えた。

【編集部コメント】

急成長を続けるICEYEが「上場を急がない」と明言したことは、近年の宇宙スタートアップに広がる「Stay Private(非公開維持)」戦略を象徴している。防衛・安全保障需要の拡大を背景に、黒字化と大型受注が視野に入る企業にとって、四半期決算に縛られる上場の優先度は相対的に低下している。EUに対する「もっと早く動け」という苦言は、資金力・技術力・実績を兼ね備えた欧州宇宙企業が、政策側のスピード不足に苛立ちを強めている現状を浮き彫りにしている。

【出典情報】

参照情報(報道)
Iceye: No IPO for now; $300M+ in 2025 revenue and $3B valuation as production expands (Space Intel Report)

Iceye: No IPO for now; $300M+ in 2025 rev, $3B valuation & expanding production; asks EU to go faster on secure comms

ICEYE emerges as a key supplier in Europe’s shift toward military microsatellites (Forecast International / FlightPlan)
https://flightplan.forecastinternational.com/2026/01/29/iceye-emerges-as-a-key-supplier-in-europes-shift-toward-military-microsatellites/

企業・財務データ参考
ICEYE company profile (Sacra)
https://sacra.com/c/iceye/