【要点】
・中国科学院(CAS)発の民間宇宙企業「CAS Space(中科宇航)」は、中国証券監督管理委員会(CSRC)のシステムにおいて、IPO(新規株式公開)に向けた指導(tutoring)プロセスを完了した。 ・同社は、2026年1月12日に酒泉衛星発射センターでサブオービタル機「Lihong-1 Y1(力弘一号)」の飛行試験を実施し、回収カプセルのパラシュート着陸と回収に成功したばかりである。 ・この試験飛行では、微小重力下での金属3Dプリンティング実験や、バラの種子の搭載実験が行われ、宇宙製造および農業分野への応用が検証された。 ・CAS Spaceの上場準備加速の背景には、上海証券取引所(SSE)が2025年12月26日に発表した「第9号指針」がある。これにより、利益が出ていない段階の商業ロケット企業でも、再使用型ロケットの打ち上げ成功などのマイルストーンを達成すれば「科創板(STAR Market)」への上場が可能となった。 ・競合するLandSpace(藍箭航天)も2025年12月31日にIPO申請が受理されるなど、中国の民間宇宙セクターは「上場ラッシュ」のフェーズに突入している。 ・また、北京の宇宙旅行企業(Beijing Interstellor)は、2028年頃にチケット価格300万元(約6,000万円)での有人サブオービタル飛行を目指すと発表した。
【編集部コメント】
2025年末に出された「赤字でも技術があれば上場OK」という上海証券取引所の新ルール(科創板第5セット基準の適用拡大)が、中国版スペースXたちの資金調達を一気に加速させている。CAS SpaceやLandSpaceは、すでに技術的な実績(軌道投入や回収試験)を積み重ねており、これらが公開市場で資金を得ることで、Starlinkに対抗する「Guowang(国網)」等の衛星コンステレーション構築がさらに早まる可能性がある。
【出典情報】
参照情報(報道) CAS Space finishes IPO tutoring as companies in sector rush to list (Global Times) https://www.globaltimes.cn/page/202601/1354162.shtml Commercial recoverable spacecraft completes test flight in China (Xinhua) https://english.news.cn/20260112/6fc9d82590be4c4596077ca58d15bfa6/c.html China refines STAR Market IPO rules for pre-profit rocket firms (Jiemian Global) https://en.jiemian.com/wap/article/13822252.html