【要点】

・米宇宙軍(USSF)は2026年1月27日、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から、スペースX社のファルコン9ロケットを用いてGPS III衛星(SV09)の打ち上げに成功した。
・今回の衛星は、1986年のチャレンジャー号事故で犠牲となった日系人宇宙飛行士にちなみ「エリソン・オニヅカ」と命名されている。
・当初、このミッションはULA社の新型ロケット「ヴァルカン」で行われる予定だったが、スケジュールの確実性を優先するため、宇宙軍がスペースXのファルコン9へと変更した経緯がある。
・GPS III衛星は、従来の衛星と比較して位置精度が約3倍向上し、軍用コード(Mコード)による対ジャミング(電波妨害)能力が最大8倍強化されている。
・また、設計寿命は15年に延長されている。
・これは全10基計画されているGPS IIIシリーズの9基目であり、全地球測位システム(GPS)の近代化における重要な節目となる。
・一方で米議会からは、ロシアや中国による電子戦の脅威に対し、現在のGPS IIIでも不十分であるとの懸念が示され、さらに抗堪性を高めた次世代型「GPS IIIF」の早期導入を求める声が上がっている。

【編集部コメント】

今回の打ち上げで特筆すべきは、打ち上げ直前での「ロケットの変更」という柔軟な対応です。ミッションの確実性を最優先する米宇宙軍の姿勢が、信頼性の高いファルコン9への切り替えという形で現れました。また、「エリソン・オニヅカ」の名を冠した衛星が、現代の安全保障に不可欠なPNT(測位・航法・時刻)インフラの核心を担うという点も、宇宙開発の歴史を継承する象徴的な出来事と言えます。

【出典情報】

公式リリース
・U.S. Space Force Space Systems Command
https://www.ssc.spaceforce.mil/Newsroom/Article-Display/Article/4391708/u-s-space-force-field-commands-successfully-launch-gps-iii-space-vehicle-09-int

参照情報(報道)
・Air & Space Forces Magazine
https://www.airandspaceforces.com/space-force-launches-ninth-gps-iii-satellite-amid-push-for-resilient-pnt/

・Breaking Defense
https://breakingdefense.com/2026/01/as-space-force-wraps-up-gps-iii-launches-worried-lawmakers-push-for-more-anti-jam-capability/

・Inside GNSS
https://insidegnss.com/spacex-set-to-launch-gps-iii-sv09-ellison-onizuka-after-space-force-swaps-mission-from-vulcan/