【要点】
・中国の民間ロケット「朱雀3号(ZQ-3)」の第2段部分が2026年1月30日、制御不能状態で地球へ再突入した
・当該物体は全長約12メートル、重量11トンの大型デブリであり、ダミーペイロードが付着していた可能性がある
・EUの宇宙監視追跡(EU SST)は、再突入軌道が欧州上空を通過すると予測し、加盟国に対して詳細な監視データを提供した
・英国政府は破片落下のわずかな可能性に備え、通信事業者に対し「緊急警報システム」の稼働確認を異例の指示として通達した
・ロケットは2025年12月の打ち上げ後、徐々に軌道を下げており、落下地点の特定は直前まで困難であった
・最終的に、残骸はニュージーランド南東の南太平洋上空で大気圏に突入し、燃え尽きたと見られている
・今回の再突入は、キア・スターマー英首相の訪中日程と重なり、外交的な懸念材料としても報じられた
・ポーランドやバルト三国など、軌道直下の国々でも航空交通へのリスクを考慮し、一時的な監視体制が敷かれた
【編集部コメント】
本件は、単なる宇宙デブリの落下事案を超え、地上インフラ(緊急警報システム)を巻き込んだ社会的な騒動に発展した点で特筆すべきである。10トン級の大型物体が制御されずに人口密集地を通過するリスクは、商業宇宙活動の拡大に伴い看過できない問題となっている。国際的なルール作りと、落下リスクを最小化する設計(デザイン・フォー・デマイズ)の義務化が急務である。
【出典情報】
公式リリース:EU SST「EU SST closely monitors re-entry of space object ZQ-3 R/B」
https://www.eusst.eu/newsroom/news/eu-sst-closely-monitors-upcoming-re-entry-space-object-zq-3-rb
参照情報(報道):Yahoo News UK「Emergency alert prepared for UK as Chinese rocket debris hurtles towards Earth」
https://uk.news.yahoo.com/emergency-alert-prepared-uk-chinese-081206769.html
参照情報(報道):Cybernews「Out-of-control Chinese rocket booster spirals towards Earth」
https://cybernews.com/news/chinese-rocket/