【要点】

・米宇宙軍(USSF)は、有事の際に民間の宇宙アセットを活用する「民間宇宙増強予備役(CASR:Commercial Augmentation Space Reserve)」プログラムの統合を加速させ、2026年からの実運用を目指すと発表した。
・宇宙軍は複数の民間企業と「自発的調査合意(voluntary study agreements)」を締結し、平時から軍の作戦要件と民間サービスの互換性を確認する。
・これにより、有事の際に民間サービスを迅速に軍の指揮統制下へ切り替える体制構築を進める。
・優先対象となる分野は、衛星通信(SATCOM)および遠隔探査(リモートセンシング)の2分野である。
・商用衛星の余剰能力を軍事利用に組み込むことで、宇宙インフラ全体の即応性と柔軟性を高める狙いがある。
・本プログラムは、有事に民間航空機を動員する「民間予備航空艦隊(CRAF)」をモデルとしている。
・2026年を通じて、民間企業が軍の演習に参加し、データ共有プロトコルやサイバーセキュリティ基準の適合性を検証する実戦的統合フェーズに入る予定である。

【編集部コメント】

CASRの本格始動は、米軍が「自前主義」から「民間の大規模活用」へと完全にシフトしたことを象徴しています。ウクライナ紛争でスターリンクなどの民間技術が戦況を左右した教訓を受け、これを場当たり的な協力ではなく、法的枠組みに基づく「予備艦隊」として制度化した点が重要です。企業側にとっては安定した収益源となる一方、有事の際に敵対勢力の攻撃対象となるリスクをどう管理・補償するかが、2026年の運用開始に向けた最大の焦点となるでしょう。

【出典情報】

公式リリース:なし

参照情報(報道)
・SatNews「Space Force Accelerates Commercial Reserve Fleet Integration for 2026 Operations」
https://news.satnews.com/2026/01/27/space-force-accelerates-commercial-reserve-fleet-integration-for-2026-operations/

・DefenseScoop「Space Force formalizes CASR plans for 2026 operations」
https://defensescoop.com/2026/01/27/space-force-commercial-reserve-companies-casr-plans-2026/