【要点】
・中国科学院(CAS)力学研究所は2026年1月25日、中国初となる宇宙空間での金属3Dプリント実験に成功したと発表した
・実験は、1月12日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられたサブオービタル再利用宇宙船「Lihong-1(リーホン)Y1」に搭載されたペイロードで行われた
・宇宙船が高度約120kmのカーマン・ラインを超えた際、微小重力環境下で金属コンポーネントの自動造形を自律的に実施した
・本実験により、微小重力下での溶融池(メルトプール)の動態、材料輸送、凝固挙動などの貴重な直接データを取得することに成功した
・今回の成功は、中国の宇宙金属加法製造(3Dプリント)技術が「地上研究」から「宇宙での工学検証」という新段階に移行したことを意味する
・実験後のペイロードはパラシュートで地上に帰還・回収されており、造形された部品の詳細な分析が進められる予定である
・将来的には、月面基地の建設や深宇宙探査、宇宙ステーションの維持に不可欠な「オンデマンドの部品製造・修理」技術の基盤となることが期待されている
【編集部コメント】
今回の実験が宇宙ステーション(LEO)ではなく、あえて低コストなサブオービタル機(Lihong-1)で行われた点は、中国の宇宙開発が「実用性とスピード」を重視している表れと言えます。わずか数百秒間の微小重力時間で金属造形を完遂させる技術は、極めて高い制御精度を要します。地上への帰還・回収を前提とした本スキームにより、試作と検証のサイクルを高速化させ、将来の「宇宙工場」建設に向けた技術的優位を確保する狙いが見て取れます。
【出典情報】
公式リリース:あり
・Chinese Academy of Sciences(CAS)「China Successfully Conducts First Metal 3D Printing Experiment in Space」
https://english.cas.cn/newsroom/cas_media/202601/t20260126_1146537.shtml
参照情報(報道)
・China Daily「China successfully conducts first metal 3D printing experiment in space」
https://global.chinadaily.com.cn/a/202601/25/WS6975da75a310d6866eb35987.html
・CGTN「China conducts first in-orbit metal 3D printing experiment」
https://news.cgtn.com/news/2026-01-25/China-conducts-first-in-orbit-metal-3D-printing-experiment-1KdYsonQRqg/p.html