【要点】
・ドイツの宇宙コンポーネントメーカー、ディーキューブド(Deployables Cubed GmbH/Dcubed)は、軌道上製造(In-Space Manufacturing:ISM)技術を用いた次世代電力ソリューション「ARAQYS(アラクシス)」を発表し、その実証ミッション「ARAQYS-D3」の詳細を明らかにした。
・「ARAQYS-D3」ミッションでは、2027年第1四半期にスペースX(SpaceX)のライドシェア便で打ち上げられる衛星を使用し、宇宙空間で構造部材を3Dプリントすることで、2キロワット(kW)級のソーラーアレイを展開・構築する。
・従来の展開式ソーラーパネルは、重いヒンジやブーム(支持棒)を地上から打ち上げる必要があったが、本技術では柔軟なソーラーブランケットのみを折りたたんで搭載し、軌道上で硬化樹脂を用いて支持構造を「印刷」するため、収納体積と重量を劇的に削減できる。
・ディーキューブドは、このミッションのために米国の衛星バスメーカー、アストロ・デジタル(Astro Digital)および打ち上げサービサー、マーベリック・スペース・システムズ(Maverick Space Systems)と提携している。
・同社CEOのトーマス・シン(Thomas Sinn)氏は、この技術が将来的に宇宙太陽光発電所(Space Based Solar Power)のような巨大構造物の建設コストを下げ、宇宙インフラへの電力供給能力を飛躍的に高めると述べている。
【編集部コメント】
「ARAQYS」は企業名ではなく、ディーキューブド社の製品ブランド名です。
宇宙で「物を作る」技術はこれまで実験レベルでしたが、ディーキューブドはこれを「高出力電源」という具体的な商用ソリューションに落とし込みました。
もし、小さなCubeSatから国際宇宙ステーション並みの巨大パネルを「生やす」ことができれば、電力不足に悩む小型衛星の活動限界が一気に突破されることになります。
【出典情報】
公式リリース
Dcubed Powers Ahead: Introducing ARAQYS – The Power Solution for Space(Dcubed)
https://dcubed.space/dcubed-powers-ahead-introducing-araqys-the-power-solution-for-space/
参照情報(報道)
In-Space 3D Printing to Power Next-Gen Solar Arrays(Thomasnet)
https://www.thomasnet.com/insights/dcubed-araqys-d3-mission/