【要点】
・スペースX社は、LEO(高度2,000km以下の低軌道)の安全確保を目的とした新システム「Stargaze」を開発した。
・運用中のStarlink衛星に搭載された約3万台のスタートラッカー(星の位置から姿勢を制御する装置)をセンサーとして活用する。
・1日あたり約3,000万件の物体通過を検知し、軌道上の物体の位置や速度をほぼリアルタイムで推定する。
・算出されたデータは、数週間以内にすべての衛星運用者に対して無償で公開される予定である。
・本システムは、衝突の危険性を通知するCDM(接近データメッセージ)を自動生成し、専用プラットフォームで提供する。
・2025年末には、他社衛星の急な軌道変更を検知し、衝突リスクを回避することに成功した実績を持つ。
・今春からは、自社の軌道予測情報を共有する運用者に対し、Stargazeデータに基づくCDMの提供を開始する。
・同社は、航空業界と同様にすべての運用者が位置情報を共有し合う標準的な安全基準の確立を提唱している。
【編集部コメント】
スペースXによる「Stargaze」の無償提供は、自社の巨大な衛星網を巨大なセンサー群へと転換させ、宇宙インフラの安全性を主導する戦略的な一手です。これまでは政府機関によるSDA(宇宙状況把握)が主流でしたが、民間主導で高精度なデータが共有されることで、混雑が激化する低軌道での衝突リスク低減が期待されます。宇宙業界全体の透明性と安全基準を一段階引き上げる構造的変化といえます。
【出典情報】
公式リリース:Starlink(公式)「Stargaze: SpaceX’s Space Situational Awareness System」
https://starlink.com/updates/stargaze
参照情報(報道):Unmanned Airspace「SpaceX to launch free space situational awareness system」
https://www.unmannedairspace.info/latest-news-and-information/spacex-to-launch-free-space-situational-awareness-system/