【要点】

・研究チームは、極光(オーロラ)を発光させる巨大な電力源である「宇宙の電池」の正体を特定した。
・地球の磁気圏から電離層へと流れ込むエネルギーが、オーロラ加速域の電場をどのように維持するかの仕組みを解明した。
・磁気圏とは、地球の磁場が支配し、太陽風の直撃から地球を保護している領域を指す。
・磁力線に沿って伝わるアルヴェーン波(プラズマ波)が、粒子を加速する電場の維持に関与する。
・電離層とは、高度約60km以上にある大気が電離した層で、オーロラの発光現象が起こる場である。
・NASAのVan Allen ProbesやTHEMISなど複数衛星の観測データを用いて分析を行った。
・供給されたエネルギーが磁力線に沿って極地方へ流れ込むことで、大気分子を励起させ発光を促す。
・本成果は、人工衛星や送電網に障害を招く宇宙天気の予測精度向上において重要な役割を果たす。

【編集部コメント】

オーロラ現象の背後にあるエネルギー供給源は、長年「宇宙の発電機」として概念化されてきたが、その具体的な発生部位と変換効率の詳細は未解明な部分が多かった。今回の発見は、地球周辺のプラズマ環境におけるエネルギー輸送経路を物理的に裏付けるものである。宇宙インフラへの依存度が高まる現代において、こうした基礎研究は宇宙天気予報の信頼性を高める戦略的な布石となる。

【出典情報】

公式リリース
EurekAlert! – HKU and UCLA scientists uncover the mechanism powering “space battery” above auroral regions
https://www.eurekalert.org/news-releases/1115507
参照情報(報道)
News9live – Scientists identify ‘space battery’ driving polar lights
https://www.news9live.com/science/scientists-identify-space-battery-driving-polar-lights-2926555