【要点】

・ニュージーランド政府(コリンズ宇宙相およびシモンズ環境相)が、国内からのロケット打ち上げ許可数の上限を従来の100回から1,000回へ引き上げると発表
・旧上限である100回は、国内の宇宙活動がごくわずかだった2017年に設定されたもの
・現在、同国は軌道ロケットの打ち上げ頻度で「世界第3位」に急成長しており、年内にも従来の上限(100回)に達する見込みだった
・排他的経済水域(EEZ)および大陸棚へのロケット残骸落下に関する環境影響評価を実施した結果、1,000回までの打ち上げであれば環境リスクは低いと結論付けられた
・上限を引き上げない場合、101回目以降の打ち上げごとに煩雑な海洋同意手続きが必要となり、イノベーションの遅れや投資意欲の低下を招く恐れがあった
・新上限の1,000回は少なくとも2050年までは到達しないと予測されており、業界に長期的な事業の確実性をもたらす
・同国の宇宙産業は2024年に24億7,000万ドルの経済効果をもたらしており(過去5年で48%増)、政府は2030年までにセクター規模を倍増させる目標を掲げている

【編集部コメント】

本件は、Rocket Labなどを中心とするニュージーランドの宇宙産業が驚異的なスピードで成長している現状を如実に物語るニュースです。上限到達による行政手続きの煩雑化やコスト増(ボトルネック)が顕在化する前に、政府が先回りして一気に「10倍」という長期的な枠組みを設けた点は高く評価できます。環境保護と産業振興のバランスを取りながら「世界第3位の打ち上げ国」としての地位を確固たるものにするスピーディーな法整備であり、世界中の宇宙振興を目指す国々にとって一つのモデルケースとなるでしょう。

【出典情報】

公式リリース
Space launch limits increased to support growth – Beehive.govt.nz
https://www.beehive.govt.nz/release/space-launch-limits-increased-support-growth

Government increases space launch limit – Ministry for the Environment
https://environment.govt.nz/news/government-increases-space-launch-limit/

参照情報(報道)
New Zealand Boosts Space Launch Cap Tenfold to Support Rapid Industry Growth – Devdiscourse
https://www.devdiscourse.com/article/law-order/3802082-new-zealand-boosts-space-launch-cap-tenfold-to-support-rapid-industry-growth?amp