【要点】
・アラブ首長国連邦(UAE)が議長を務める国連の「宇宙状況把握に関する専門家グループ(EG SSA)」が、オーストリアのウィーンで初の対面会合を開催した
・急増する宇宙トラフィックによる偶発的な衝突や、それが軍事衝突へと発展する誤解を防ぐため、国家間での実践的な情報共有策を協議することが目的
・NASAと米国務省が率いる米国代表団は、この場を通じて特に中国など他国によるSSA(宇宙状況把握)データの透明性向上を期待していると表明した
・米宇宙軍(USSF)からのニアミス通知に対し、かつて中国側はほとんど応答しなかったが、過去1年で姿勢が軟化し、昨年10月には中国側から初めてNASAへ衝突回避の連絡と衛星移動の申し出があった
・この関係改善の背景には、米国政府が中国の担当窓口(BITTT)への連絡手順を一本化し、米国の民間事業者向けにもベストプラクティス(指針)を策定した努力がある
・同グループは、世界のSSAシステムの運用調整やデータ形式の標準化などを議論し、2028年の国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)総会で成果を報告する予定
【編集部コメント】
低軌道における衛星の急増と混雑化が進む中、衛星同士の衝突は単なる事故にとどまらず、意図的な軍事攻撃と誤認される重大な安全保障上のリスクをはらんでいます。これまで長年にわたり対話が困難だった米中間において、衝突回避に向けた実務レベルでの連絡ルートが機能し始めたことは非常に大きな前進です。今回の国連専門家グループの取り組みが、この雪解けをさらに後押しし、世界共通の「宇宙交通管理(STM)」のルール作りへと繋がるかどうかが今後の重要な焦点となります。
【出典情報】
公式リリース
Expert Group on Space Situational Awareness of the Working Group on the Long-term Sustainability of Outer Space Activities – UNOOSA
https://www.unoosa.org/oosa/en/ourwork/copuos/stsc/lts/eg-ssa.html
UAE Leads International Expert Group on Space Situational Awareness at 63rd Session of the Scientific and Technical Subcommittee of COPUOS – UAE Space Agency
https://space.gov.ae/en/media-center/news/12/2/2026/uae-leads-international-expert-group-on-space-situational-awareness-at-63rd-session-of-the
参照情報(報道)
New UN forum seeks busting space traffic cooperation barriers – Breaking Defense
https://breakingdefense.com/2026/02/new-un-forum-seeks-busting-space-traffic-cooperation-barriers/