【要点】
・フィリピン中央銀行(BSP)とPhilippine Space Agency(PhilSA)が気候リスク監視に関する連携を発表した。
・金融システムが曝露されている気候変動の物理的リスクを、衛星データを用いて定量的に評価することを目的とする。
・地球観測(EO)データを活用し、銀行の融資ポートフォリオや担保資産、営業拠点における災害影響を可視化する。
・台風、洪水、干ばつといった自然災害が農地や重要インフラに与える経済的損失の予測精度向上を図る。
・BSPは金融機関に対し、気候変動関連リスクの開示と管理体制の高度化を求める方針を維持している。
・PhilSAは、リモートセンシング技術を活用した環境モニタリングおよび空間解析プラットフォームを提供する。
・本取り組みは、エビデンスに基づく金融政策の立案と、マクロ経済の安定性維持を支援する。
・宇宙技術を中央銀行の監督業務に統合する試みは、東南アジアにおける先進的なガバナンス事例として注目される。
【編集部コメント】
中央銀行が金融監督業務に衛星データを直接導入する動きは、フィンテックとスペーステックの融合を象徴している。気候リスクの透明化は、ESG投資の適正化や損害保険市場の効率化に直結する。宇宙産業側にとっては、官公庁だけでなく金融セクターという巨大なデータ需要層を開拓する契機となり、地球観測データのビジネス価値を再定義する重要なマイルストーンといえる。
【出典情報】
公式リリース
BSP, PhilSA ink MOA on use of satellite to help BSP assess climate risk, promote financial stability(Bangko Sentral ng Pilipinas)
https://www.bsp.gov.ph/SitePages/MediaAndResearch/MediaDisp.aspx?ItemId=7820&MType=MediaReleases
参照情報(報道)
BSP taps space agency for climate-risk monitoring(BusinessWorld)
https://www.bworldonline.com/economy/2026/02/12/730333/bsp-taps-space-agency-for-climate-risk-monitoring/
BSP signs agreement with PH Space Agency for better climate risk assessment(ABS-CBN News)
https://www.abs-cbn.com/news/business/2026/2/12/bsp-signs-agreement-with-ph-space-agency-for-better-climate-risk-assessment-1343