【要点】

・宇宙スタートアップ企業のSpaceiumは2026年2月、軌道上サービスに向けたロボット補給システムの初期コンポーネント試験を宇宙空間で開始した。
・本実証は、将来的に衛星や宇宙機へ推進剤を自動補給する「軌道上ガソリンスタンド」構想の実現に向けた重要なステップとなる。
・試験対象は、異なるインターフェースを持つ衛星同士を接続し、確実な流体転送を可能にするために設計された独自のロボットアーム機構である。
・SpaceXのTransporter-12ミッションにより打ち上げられたホスト衛星プラットフォーム上で、宇宙環境における動作の正確性を検証する。
・同社は、既存の衛星が補給専用のポートを備えていない場合でも対応可能な、汎用性の高いドッキングおよび補給ソリューションの開発を目指している。
・軌道上サービス(OSAM)市場において、補給能力の提供は衛星の運用寿命を劇的に延ばし、宇宙資産の経済価値を最大化する鍵とされている。
・報道によると、今回のミッションでは真空および微小重力下でのアクチュエータの挙動と、遠隔操作による精密制御のデータ収集を主目的とする。
・Spaceiumは本試験の成果を基に、2020年代後半までのフルスケールでの軌道上補給サービスの商用化を計画している。

【編集部コメント】

軌道上補給は、従来の「使い捨て型」宇宙開発から「循環維持型」へのパラダイムシフトを象徴する技術である。Spaceiumの取り組みは、高度なロボティクスを介することで、補給機能を持たない既存衛星へのサービス提供という高いハードルに挑むものである。これは静止衛星の寿命延長だけでなく、将来的な月探査や火星探査における深宇宙輸送ハブの構築にも直結する。OSAM分野ではOrbit Fabなどの先行企業が存在するが、ロボット技術による汎用接続性は、多様な顧客ニーズを取り込む上での強力な差別化要因となるだろう。

【出典情報】

公式リリース
Spaceium Achieves Landmark In-Orbit Refueling Milestone with 70x More Accurate Robotic Actuator(Spaceium)
https://www.linkedin.com/posts/ashi-dissanayake_spaceium-demonstrates-refueling-actuator-activity-7427036873836904448-0VPs
参照情報(報道)
Spaceium Tests Robot Gas Attendant Piece in Orbit(Payload)
https://payloadspace.com/spaceium-tests-robot-gas-attendant-piece-in-orbit/
Spaceium demonstrates refueling actuator in orbit(Copernical)
https://www.copernical.com/news-public/item/56375-2026-02-10-21-55-27