【要点】

・韓国宇宙航空庁(KASA)は2026年2月11日、独自の再使用型ロケット開発に向けた情報提供依頼書(RFI)を発行した。
・本計画は、打ち上げコストの劇的な低減とグローバルな宇宙輸送市場における競争力確保を目的とする。
・KASAは民間企業に対し、再使用を実現するためのエンジン垂直着陸技術や機体回収プロセスに関する技術案を求めている。
・開発プロセスにおいて民間セクターが主導権を握る「ニュースペース」モデルの採用を強調し、政府は技術支援とインフラ提供に回る方針を明示した。
・既存のNuri(KSLV-II)や開発中の次世代ロケット計画で培った成果を基盤としつつ、再使用性に特化した新規設計を視野に入れている。
・報道によると、KASAは2030年代初頭までのプロトタイプ試験機の打ち上げを目指し、ロードマップの策定を急いでいる。
・本RFIを通じて収集された情報は、今後の正式な事業公募(RFP)や予算規模の決定に直接反映される見込みである。
・韓国政府は、宇宙輸送の自立化を国家戦略の柱と位置付け、民間ロケットメーカーの育成を加速させる。

【編集部コメント】

KASAによる本RFIの発行は、韓国の宇宙政策が「開発完遂」から「市場競争力の獲得」へと明確にシフトしたことを示している。SpaceXの成功により再使用型ロケットが業界標準となる中、後発の韓国が民間主導の体制を選択したことは、産業エコシステムの成熟を促す合理的な判断と言える。本プロジェクトは、韓国内の重工業・航空宇宙メーカーにとって、世界市場への参入障壁を打破する重要な機会となる。技術的なハードルは高いが、これが成功すればアジアにおける主要な宇宙輸送拠点としての地位を確立する可能性がある。

【出典情報】

公式リリース
宇宙航空庁(KASA)による深宇宙探査ロードマップおよび通信インフラ整備計画(宇宙航空庁(KASA))
https://www.kasa.go.kr/news/release/20260211
参照情報(報道)
Korea’s deep space relay satellite to enter orbit by 2032(Chosun Biz)
https://biz.chosun.com/en/en-science/2026/02/11/F7GUPIVXZFEJZNFGKADSNXZ2VI/
KASA unveils vision for deep space communication relay satellite network(The Korea Times)
https://www.koreatimes.co.kr/www/tech/2026/02/11/kasa-deep-space-2032.html