【要点】

・中国の民間ロケット企業Ospace(江蘇深藍航天)は2026年2月、プレAラウンドにおいて約1億人民元の資金を調達した。
・今回の資金調達は、現在開発を進めている中型液体燃料再使用ロケットNebula-1の技術実証および量産体制の構築を目的とする。
・Nebula-1は垂直離着陸(VTVL)技術を中核に据え、打ち上げコストの大幅な削減と高頻度の運用を目指して設計されている。
・報道によると、同社は2025年後半から2026年にかけて重要な高度飛行試験および回収試験の実施を予定しており、本資金はその軍資金となる。
・Ospaceは自社開発の可変推力液体ロケットエンジン雷霆(Thunder)シリーズの最適化を進め、エンジンの再使用回数向上を図る。
・中国国内の民間宇宙セクターでは、SpaceXの成功を追随する形で複数の企業が再使用型ロケットの開発競争を繰り広げている。
・投資家層には地方政府系のファンドやハイテク分野に特化したベンチャーキャピタルが含まれており、国家的な宇宙強国戦略との連動が見られる。
・同社は今後、Nebula-1の初号機打ち上げ成功を経て、より大型のNebula-2の開発および低軌道コンステレーション構築市場への参入を計画している。

【編集部コメント】

中国の民間宇宙開発は、単なる機体開発の段階から、経済合理性を伴う「再使用型」の実用化フェーズへ移行している。Ospaceによる今回の資金調達は、資本市場が同社の垂直着陸技術の成熟度を高く評価している証左と言える。特に液体酸素・ケロシンエンジンを用いた再使用技術は、今後の低軌道衛星網構築におけるコスト競争力を決定づける。国有企業中心の体制から民間企業の台頭が加速することで、中国の宇宙産業サプライチェーンはよりダイナミックな変革を遂げることが予想される。

【出典情報】

公式リリース
决战2026:中国民营火箭企业该“交卷”了(澎湃新闻)
https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_32558624
参照情報(報道)
决战2026:中国民营火箭企业该“交卷”了(虎嗅)
https://www.huxiu.com/article/4833380.html