【要点】
・スイスおよび英国に拠点を置くスタートアップ企業のDotphotonは2026年2月12日、340万ドルの資金調達を実施した。
・本ラウンドにはTRUMPF Ventureや欧州イノベーション会議(EIC)が参加し、宇宙・地上間通信の帯域不足解消に向けた技術開発を加速させる。
・同社はAI(人工知能)を活用したソフトウェア定義型の生データ圧縮ソリューション「Jetraw」を中核製品として展開する。
・Jetrawは、高解像度の衛星画像を品質劣化させずに最大10分の1に圧縮し、ダウンリンク(衛星から地上への送信)の効率を劇的に向上させる。
・従来のハードウェア依存の圧縮技術と異なり、ソフトウェアベースで既存の衛星システムや地上局インフラに柔軟に統合できる点が特徴である。
・地球観測衛星の高度化に伴い増大するデータ量と、限られた通信帯域との間に生じているボトルネックの解消を目的とする。
・報道によると、今回の資金は、防衛および商業分野における欧州および米国市場での事業拡大と、チームの増員に充てられる。
・宇宙空間でのエッジコンピューティング(軌道上データ処理)と組み合わせることで、リアルタイムに近いデータ提供サービスの実現を目指す。
【編集部コメント】
宇宙データの爆発的増加に対し、通信インフラの拡充は物理的・コスト的制約が大きく、Dotphotonが提供する「高効率圧縮」は極めて合理的な解決策である。特に高分解能画像やハイパースペクトルデータを用いる高度な解析において、情報の質を維持したまま転送量を削減できる技術は、衛星オペレーターの運用利益に直結する。本資金調達は、宇宙ビジネスの関心が「輸送」から「データ利用の最適化」へと深化している潮流を裏付けており、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)の概念が宇宙セグメントへ本格波及する一助となるだろう。
【出典情報】
公式リリース
The Compression Company Announces $3.4M Pre-Seed Round, Led By Long Journey(Via Satellite / Satellite Today)
https://www.satellitetoday.com/imagery-and-sensing/2026/02/12/the-compression-company-announces-3-4m-pre-seed-round-led-by-long-journey/
参照情報(報道)
Early SpaceX backer funds UK satellite data start-up(Sky News)
https://news.sky.com/story/early-spacex-backer-funds-uk-satellite-data-start-up-13506591