【要点】
・英国宇宙局(UKSA)は2026年2月10日、軌道上製造(In-Orbit Manufacturing)技術の開発支援として約100万ポンドの追加資金を投じると発表した。
・本投資は、微小重力環境を活用した新素材や次世代半導体、バイオ医薬品の製造プロセスの確立を目的とする。
・Space Forgeなどの英国スタートアップ企業を含む複数のプロジェクトが選定され、宇宙工場プラットフォームのプロトタイプ開発が進められる。
・地上では製造不可能な高品質なクリスタルや光ファイバーの生産により、地球上のデジタル・医療インフラに革新をもたらすことを狙う。
・英国政府が進める「国家宇宙戦略」の一環として、高付加価値な宇宙経済圏(Space Economy)のリーダーシップ確保を目指す。
・報道によると、宇宙での製造から回収までを担う再突入カプセルの技術実証も資金援助の対象に含まれている。
・軌道上製造は、従来の人工衛星運用を超えた「宇宙を利用した産業化」の重要ステップとして位置づけられる。
・本プログラムを通じて、2020年代後半までの商業用宇宙製造サービスの稼働開始を支援する計画である。
【編集部コメント】
英国政府による本投資は、宇宙を単なる「観測と通信の場」から「高度な生産拠点」へと再定義する戦略的意図が鮮明である。特にSpace Forgeが推進する無人宇宙工場のようなビジネスモデルは、再利用型カプセルによるダウンリンクコストの低減が鍵を握る。半導体や新素材の性能向上が限界を迎えつつある中、微小重力という物理的利点を製造プロセスに組み込むことは、地上産業の競争力を左右する。本件は、国家レベルでのサプライチェーン強化策として極めて重要な意味を持つ。
【出典情報】
公式リリース
New studies for manufacturing advanced materials in orbit(UK Space Agency)
https://www.gov.uk/government/news/new-studies-for-manufacturing-advanced-materials-in-orbit
参照情報(報道)
UK to Invest Nearly £1M In In-Orbit Manufacturing(Payload)
https://payloadspace.com/uk-to-invest-nearly-1m-in-in-orbit-manufacturing/
UK supports space manufacturing to unlock advanced materials(Open Access Government)
https://www.openaccessgovernment.org/uk-supports-space-manufacturing-to-unlock-advanced-materials/204754/