【要点】
・米連邦通信委員会(FCC)は2026年2月11日、数十年前の古い宇宙規制を刷新し、衛星ライセンスの承認プロセスを迅速化する「アセンブリライン(流れ作業)型」の承認方式を提案した。
・本提案は、小型衛星の大量打ち上げやコンステレーション構築の加速に対応するため、標準化された申請の審査期間を大幅に短縮することを目的とする。
・現行の個別審査制に対し、特定の基準を満たす技術仕様や軌道計画については、定型化された手続きによる効率的な認可を可能にする方針である。
・Jessica Rosenworcel委員長は、急成長する宇宙経済において規制がイノベーションのボトルネックになることを避けるべきであると言及した。
・新規則案には、軌道上デブリの発生抑制に関する基準の厳格化と、それを迅速に審査するためのフレームワークの統合も含まれる。
・承認プロセスの透明性を高めるため、申請から認可までのタイムラインを明確化し、事業者の予見可能性を向上させる計画である。
・報道によると、FCCは今後パブリックコメントを募集し、民間企業の意見を反映させた上で最終的な規則を策定する見通しとする。
・この改革は、低軌道(LEO)を活用した商用通信サービスの普及を後押しする、米国政府の「Space Bureau(宇宙局)」主導による規制緩和の一環である。
【編集部コメント】
今回のFCCによる規制改革案は、人工衛星が「特注品」から「量産品」へと移行した産業構造の変化に当局がようやく追いついたことを意味する。承認プロセスの「アセンブリライン化」は、特に膨大な機数を運用するコンステレーション事業者にとって、市場投入までのリードタイムを劇的に短縮するインパクトを持つ。一方で、審査の簡素化は軌道混雑や電波干渉のリスク管理とのトレードオフになりかねず、迅速性と安全性を両立させるための自動化された審査アルゴリズムの導入などが今後の議論の焦点となるだろう。
【出典情報】
公式リリース
Chairwoman Rosenworcel Proposes Speeding Up Satellite Licensing(Federal Communications Commission)
https://www.fcc.gov/document/chairwoman-rosenworcel-proposes-speeding-satellite-licensing
参照情報(報道)
FCC proposes ‘assembly line’ licensing to replace decades-old space rules(SatNews)
https://news.satnews.com/2026/02/11/fcc-proposes-assembly-line-licensing-to-replace-decades-old-space-rules/
FCC Chair aims to slash satellite application backlog with new rules(SpaceNews)
https://spacenews.com/fcc-chair-aims-to-slash-satellite-application-backlog-with-new-rules/