【要点】
・香港中文大学(CUHK)は2026年2月上旬、世界初となるAI機能を搭載した科学衛星「CUHK-Sat 1」の打ち上げに成功した。
・本衛星は、中国の広東・香港・マカオ大湾区(Greater Bay Area)におけるスマートシティ開発と持続可能性の向上を支援する。
・軌道上でのリアルタイムAI処理により、膨大なリモートセンシングデータから都市のヒートアイランド現象や大気汚染状況を迅速に抽出する。
・従来の地上処理プロセスを一部代替することで、観測から分析結果の提供までに要する時間を劇的に短縮することを目指す。
・報道によると、高解像度の光学センサーと高度な深層学習アルゴリズムを統合し、微細な地表変化の検知を可能にした。
・気候変動が都市インフラに与える影響をモニタリングし、カーボンニュートラル実現に向けた科学的根拠を提供する。
・本プロジェクトは、香港政府のイノベーション・テクノロジー基金(ITF)および中国国内の宇宙機関との協力により実現した。
・得られたデータは、災害リスク管理や都市計画の最適化を目的として、政府機関および研究機関に共有される。
【編集部コメント】
CUHKによる本ミッションは、衛星データ活用のボトルネックであった「通信帯域の制約」と「分析のタイムラグ」を軌道上AIによって解消する実戦的な試みである。特にスマートシティ化が進む大湾区をモデルケースに、エッジコンピューティングを宇宙空間へ拡張した点は、今後の商用衛星サービスにおける付加価値のあり方を先取りしている。アカデミア主導でありながら、実産業への直接的なデータフィードバックを前提とした本プロジェクトは、都市経営における宇宙インフラの重要性を一段と高めるだろう。
【出典情報】
公式リリース
CUHK Launches World’s First AI-Powered Science Satellite to Advance Urban Sustainability(The Chinese University of Hong Kong)
https://www.cpr.cuhk.edu.hk/en/press/cuhk-launches-worlds-first-ai-powered-science-satellite-to-advance-urban-sustainability/
参照情報(報道)
CUHK blasts off world’s first AI-powered science satellite to speed up urban sustainability from space(Dimsum Daily)
https://www.dimsumdaily.hk/cuhk-blasts-off-worlds-first-ai%e2%80%91powered-science-satellite-to-speed-up-urban-sustainability-from-space/