【要点】

・量子技術企業のInfleqtionは2026年2月10日、米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)と共同で、世界初となる宇宙配備型量子重力センサーの打ち上げ計画を発表した。
・本ミッションは、超低温原子を利用した量子干渉計を国際宇宙ステーション(ISS)に設置し、地球の重力場を極めて高い精度で計測することを目的とする。
・量子重力センサーは、従来の加速度計を大幅に上回る感度を持ち、地下水の変動や氷床の厚さの変化、海面の上昇といった地球物理学的現象を詳細に捉える能力を有する。
・計測データは、気候変動のモニタリング精度向上や、天然資源の探査、より精密なナビゲーションシステムの構築に活用される見込みである。
・Infleqtionは、真空システムやレーザー冷却技術を含むコアコンポーネントの小型化・堅牢化を担い、宇宙環境での長期運用を実証する。
・報道によると、本プロジェクトはNASAの「量子情報科学(QIS)」推進の一環として位置づけられており、将来の深宇宙探査への応用も視野に入れている。
・打ち上げは2026年後半以降を予定しており、ISSに設置されているCold Atom Lab(CAL)の機能を拡張する形での実施が見込まれる。
・量子技術の宇宙実証により、GPSに依存しない自律航法技術や、超高感度な基礎物理学実験のプラットフォーム構築に向けたマイルストーンとなる。

【編集部コメント】

量子重力センサーの宇宙配備は、地球観測および宇宙航法に革命をもたらす可能性を秘めている。特に、微細な重力変化から地球内部の質量移動を検知する能力は、従来の光学・レーダー衛星では不可能な「透視」に近いインサイトを提供し、ESG投資や環境政策の強力な裏付けとなる。また、同技術は将来的な自律航法の鍵であり、測位信号が届かない深宇宙や月面探査において、米国の技術的優位性を担保する戦略的インフラとしての価値も極めて高い。

【出典情報】

公式リリース
Infleqtion to Launch World’s First Space-Based Quantum Gravity Sensor in Collaboration with NASA JPL(Infleqtion)
https://www.infleqtion.com/news/infleqtion-nasa-jpl-quantum-gravity-sensor
参照情報(報道)
NASA JPL, Infleqtion to fly first quantum gravity sensor to orbit(Investing.com)
https://www.investing.com/news/stock-market-news/nasa-jpl-infleqtion-to-fly-first-quantum-gravity-sensor-to-orbit-93CH-