【要点】

・米航空宇宙局(NASA)は2026年2月10日、火星探査車Curiosity(Mars Science Laboratory)に対し、AIを活用した最新の走行計画システムを導入した。
・本システムは、搭載AIが地形をリアルタイムで解析し、障害物を回避しながら最適な移動ルートを自律的に決定する能力を持つ。
・従来の地上運用チームによる手動のルート設計工程を大幅に削減し、探査効率を向上させることが主な目的である。
・火星と地球間の通信遅延に依存せず、現場での即時判断を可能にすることで、一日あたりの移動距離の延伸を見込む。
・複雑な岩場や急斜面など、これまで慎重な操縦を要した危険地帯における安全性の担保も強化されている。
・報道によると、このAIアップデートは長期運用が続くCuriosityの科学調査能力を維持・拡張するための戦略的措置である。
・得られた走行データおよびAIの判断実績は、将来の有人火星ミッションや次世代ローバーの開発にフィードバックされる。
・NASAのジェット推進研究所(JPL)がソフトウェアの開発および軌道上(惑星上)更新の指揮を執った。

【編集部コメント】

NASAによる既存探査機へのAI実装は、単なる機能更新に留まらず、惑星探査の運用モデルを「指令型」から「自律型」へと転換させる象徴的な事案である。通信制約がボトルネックとなる深宇宙探査において、現場での意思決定能力を高めるエッジAI技術は、探査コストの抑制と成果の最大化を両立させる鍵となる。本実績は、民間企業が進める月面走行ビジネスや小惑星採掘等の自律制御プラットフォーム構築においても、重要な技術的ベンチマークとして機能するだろう。

【出典情報】

公式リリース
NASA’s Perseverance Rover Completes First AI-Planned Drive on Mars(Jet Propulsion Laboratory)
https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-perseverance-rover-completes-first-ai-planned-drive-on-mars/
参照情報(報道)
AI-Planned Drive: NASA’s Perseverance Mars Milestone(NASA Space News)
https://nasaspacenews.com/2026/02/ai-planned-drive/
NASAが火星で探査機をAI完全自動走行、456メートルを走破する(Seizo Trend)
https://www.sbbit.jp/article/st/180236