【要点】

・ラトビアのスタートアップ企業「ディープ・スペース・エナジー(Deep Space Energy)」が、合計93万ユーロ(約1.5億円)の資金を確保した。
・調達した資金は、人工衛星や月探査向けの放射性同位体を用いた電源(radioisotope-based power generator)の開発に充てられる。
・RTGは、放射性同位体熱電気転換器(放射性物質が崩壊する際の熱を電気に変換する装置)の略称である。
・本技術は、太陽光が届かない14日間に及ぶ月の夜間や深宇宙における安定的な電力供給を目的とする。
・同社によると、従来の放射性同位体熱電気転換器(RTG)と比べ、必要な放射性同位体燃料が少なくて済む設計を目指している。
・同社は今回の資金を用いて、プロトタイプの製作および地上での動作実証試験を開始する予定である。
・ターゲット用途は、防衛・安全保障分野の高価値衛星のレジリエンス強化や、将来的な月面探査ミッションを想定している。
・報道によると、欧州における宇宙用エネルギー源の自律性を確保するための重要な技術ステップとして注目されている。

【編集部コメント】

月面での持続的な探査活動において、過酷な夜間の環境を克服する電源確保は最重要課題の一つとして位置付けられる。ラトビアのスタートアップによる小型核燃料電池の開発は、欧州の宇宙産業におけるエネルギー自給率向上を図る動きの一環である。太陽光に依存しない安定電源の実用化は、将来の月面基地運用や深宇宙探査の基盤を支える技術として期待される。

【出典情報】

公式(政府系一次情報):Research Latvia(Labs of Latvia)「“Deep Space Energy” plans to generate electricity on the Moon」
https://www.researchlatvia.gov.lv/en/deep-space-energy-plans-generate-electricity-moon

参照情報(報道):SpaceDaily「Latvian startup advances nuclear-fueled power for satellites and future Moon missions」
https://www.spacedaily.com/reports/Latvian_startup_advances_nuclear_fueled_power_for_satellites_and_future_Moon_missions_999.html

参照情報(報道):Electronics For You「Latvian Space Startup Secures €930K To Power Lunar Missions」
https://www.electronicsforyou.biz/industry-buzz/latvian-space-startup-secures-e930k-to-power-lunar-missions/