【要点】

・ドイツの宇宙新興企業ISPTechがシードラウンドで550万ユーロの資金調達を完了した。
・High-Tech Gruenderfondsが主導し、Bayern Kapitalや複数の個人投資家が本ラウンドに参加した。
・同社は毒性の高いヒドラジンの代替となる、過酸化水素をベースとしたグリーン推進技術を開発している。
・独自の触媒技術と統合された推進システムにより、小型衛星やキックステージの機動性を向上させる。
・調達資金は、ミュンヘン近郊の生産拠点の拡張と、高度なエンジニアリングチームの増強に充てられる。
・グリーン推進は安全性が高く、地上での取り扱いコストを低減できるため、運用の柔軟性を高める。
・欧州宇宙機関(ESA)を含む欧州の持続可能な宇宙開発の流れに合致し、運用面での採用拡大を狙う。
・今後は2027年までに複数の軌道上実証試験を実施し、商用市場への本格的な参入を果たす計画だ。

【編集部コメント】

宇宙産業の環境負荷低減と安全確保は、もはや避けて通れない課題となっている。ISPTechの過酸化水素ベースの推進系は、技術的信頼性とコスト効率の両立を目指しており、特に衛星コンステレーション運用者にとって魅力的な選択肢となるだろう。ドイツのディープテック・エコシステムが、宇宙インフラの核心部で存在感を示している好例である。

【参照情報】
公式リリース
ISPTech Raises €5.5M Seed Round to Redefine How Spacecraft Manoeuvre in Orbit
https://www.isptech.space/news/isptech-raises-e5-5m-seed-round-to-redefine-how-spacecraft-manoeuvre-in-orbit
参照記事
ISPTech Raises €5.5M to Scale Green Propulsion Tech
https://payloadspace.com/isptech-raises-e5-5m-to-scale-green-propulsion-tech/